好きを形にする:自分だけのキッチンデザイン

料理はただの日常のルーティンではなく、気分が良いときや余裕があるときに、心を込めて作りたいアートです。そして、新しい料理を試みたり、その工程を楽しむのも醍醐味。ある日、パーティーのための料理を作っている最中、理想のキッチンについて考えることがありました。そして、偶然にも建築士としての私が、その考えを具体的な絵にし、ここでシェアしたいと思います。

まず始めに、私の頭の中で描かれていた理想のキッチンの間取りを簡単にイラスト化しました。こちらがそのイラストです。この間取りは、テンパることなく、ストレスフリーに料理ができるように工夫されています。動線の取りやすさ、利便性、そして美しさを兼ね備えています。良かったら参考にしてください!

ストレスフリーな冷蔵庫とシンクの動線

冷蔵庫とシンクの位置は、日常的に使うキッチンアイテムであり、料理の効率と楽しさに直結します。これらの間の移動が短ければ短いほど、作業がスムーズになるのが理想です。 料理中には冷蔵庫を頻繁に開け閉めするもの。そのため、冷蔵庫と流し台の距離は近い方が効率的です。さらに、料理中に発生するごみを考慮して、ごみ箱の位置もこれらの近くに配置すると、作業の一貫性が保たれます。この3点を中心に配置を考えることが大切です。

手元を明るく!照明器具の配置に注意が必要

手元が明るいと、やる気が自然と湧いてくるもの。人が立って作業する時に影にならないよう、特に大切な作業ポイントを明るく保つことが求められます。材料を切る、料理を焼く、調味料を合わせる、盛り付けを行う。これらの作業ポイントを特に明るく保ちましょう。現在のキッチンに照明器具を追加するだけで、作業環境は大きく向上します。少しの工夫で快適なキッチン空間を手に入れましょう。

キッチンの機能性

料理をより楽しみ、効率的に進めるための機能や設備の選び方は、その人の料理スタイル次第です。私自身は、特に手間をかけずに便利なアイテムを駆使し、ワクワクする料理を目指すスタンスを持っています。そのため、私のキッチンプランはこのような方針に基づいています。

また、掃除の手間も考慮して、できるだけ汚れにくい設計や素材を選ぶことが大切です。

グリル機能を使わないという割り切り

私が一番おすすめしたいのは、グリル機能を使わないということです。つまり俗にいう魚焼き器のことです。このグリルは掃除が大変だと感じます。煙も多く出て、取り扱いが面倒です。そこで私は、これを使用せずに、電子レンジのグリル機能を使用するようにしています。

電子レンジに付いているグリル機能の良さは、匂いや煙が出にくい点にあります。そして、その形状が箱型でシンプルなため、掃除も格段に楽です。

作業スペースがシステムキッチンだけでは足りないことがよくあります

例えば、にんにくをみじん切りにする際やお刺身を切る時、さらに野菜をカットする作業を同時進行させることは、料理の中でよくあるシチュエーションです。まな板の数だけ、スペースが欲しくなることも。確かに、進行中に片付けるのは当然ですが、広い作業スペースがあれば、それだけ作業もスムーズになります。そこで、システムキッチン以外にも別の作業台を設置すると非常に役立ちます。中でも、業務用のステンレス製の作業台はおすすめです。ネットで簡単に購入でき、予想よりも手頃な価格で手に入ります。さらに、ステンレスの特性上、清潔で、拭き取りやすいのも魅力です。この作業台での調理や盛り付けを行う際、最終工程をスムーズに行えるような位置選びも大切です。

コンロはガス?IH?コンセントは必要?

「ガスか電気コンロ、どちらがいいですか?」という質問に、答えは料理スタイルによると思います。私の個人的な経験としては、ガスの方が好みです。フライパンで煽ったり、卵料理を作る際、火が見えてガスの調節がしやすくて便利。コンロの数について、3つが一般的かもしれませんが、私は2つでも十分だと感じます。実際、3つ同時に使用する機会は少ないです。新しく設置する場合、価格が重要です。2口の方が手頃ならそれを、3口の方が安ければそれを選ぶことをおすすめします。余分なものは使用しなければいいだけのこと。

さらに、キッチン周りのコンセントについても考えるべきです。ミキサーやチョッパーなどの小家電を使用すると、コンセントが足りなくなることがよくあります。そのため、システムキッチンだけでなく、作業台にもコンセントを設置することをおすすめします。

キッチン作業台とその収納機能をご紹介

以前に設計したキッチン作業台とその収納機能をご紹介します。

間仕切りは、適度なプライバシーを保ちつつ、開放的な空間も演出する必要があります。収納スペースが豊富で、コンセントを備え、雑誌などを収納できる場所も考慮することが大切です。要望やオーダーが多ければ多いほど、設計のプロセスはより面白くなります。

ダイニングとキッチンの間に位置する作業テーブルと収納を兼ね備えたデザインを過去に考案しました。お客様の生活スタイルに合わせて設計されており、850×1800ある約たたみ一枚分の作業台には、ホットプレート、ジューサー、電子レンジ、ゴミ箱など、頻繁に使用するアイテムを収納しています。ゲストが訪れた際、その内容が見えないよう工夫しています。寸法についても詳細に計測済みなので、参考としてご覧いただければ幸いです。

 

次に、ダイニングテーブル側のデザインについて説明します。

この側には炊飯器やトースターを配置しており、スライド式の設計になっているため、手前に引き出すことができます。上部は炊飯時に蒸気が上がることを考慮し、天端を省略しています。

マガジンラックには、アイアン金物の既製品を選んで取り付けました。このラックの幅は450mm。側面には両方向に取り付けることができ、合計で六ヶ所の収納スペースが確保できます。各収納部分には、雑誌を2冊まで収納できます。

このように、機能性とデザイン性を兼ね備えたダイニングキッチンのスペースを実現しました。

作業台は、表と裏で異なるデザインが施されていました。この図面をお客様に提示した際に、「前回の要望が全て反映されています」という返答を得られたことは、とても安堵し、実は非常に嬉しかったです。

既製品のシステムだけでは満足できない場合、オーダーメイドの造作家具を選択することもオススメです。

皆様それぞれの生活スタイルに合った、理想のキッチンを追求していただきたいと思います。多くの場合が新築でないと予想されるため、既存の空間をどのように良いレイアウトに変えていくかも大切なポイントです。配置の変更だけで新しいレイアウトを実現できるので、是非ともチャレンジしてみてください。

好きなことを追求する

好きなことを追求し、それを具体的な形にする過程には大きな喜びがあります。そして、その成果を通じてファンや仲間を獲得することは、自分の価値を再確認する大切な瞬間です。各位の読者に、自らの好きなことや情熱を見つけ、それを形にする過程の価値を感じてほしいと思います。

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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

 

WakanaDesign一級建築士事務所(ワカナデザイン)

こんにちは、一級建築士の鈴木祐子です。株式会社WakanaDesign一級建築士事務所の代表を務めております。茨城県境町に拠点を置き、建築設計のプロフェッショナルとして21年目に突入いたしました。真剣さと遊び心の絶妙なバランスを大切にし、魅力的な空間をデザインしています。

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A.茨城県境町に拠点を置き、建築設計のプロフェッショナルとして21年目に突入いたしました。真剣さと遊び心の絶妙なバランスを大切にし、魅力的な空間をデザインしています。

Q.なにが専門の設計事務所?
A.私たちは小規模でありながらも、リノベーションに特化した設計事務所です。お客様のニーズに合わせた柔軟な対応が可能であり、小回りの利くサービスを提供しています。リノベーションプロジェクトにおいては、建物の魅力を最大限に引き出し、新たな価値を創造することに注力しています。

Q.設計の特徴は?
A.色使いや植栽にこだわり、ワクワク感を大切にした建築デザインを提供しています。建物が利益を生むことを追求しながらも、心地よい空間を創造することにも力を注いでいます。

Q.実績は?
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A.個々のプロジェクトに真摯に向き合い、企画設計から監理まで丁寧に取り組んでいます。建築が持つ力を最大限に引き出し、お客様のニーズに応えることを大切にしています。

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