今日のブログは、消防法における無窓階に関する内容です。専用住宅以外では、消防同意が必要になります。その際、最初に検討するのが無窓階です。文字通り、「窓がない階」という意味で、消火活動に有効な開口部が存在するかどうかがポイントです。開口部がない場合、無窓階と判定されます。では、無窓階と判定された場合、どうなるのでしょうか?具体例として、150㎡の平屋建て倉庫を挙げてみましょう。
窓があるのに窓じゃない?
見た目では窓があるが、消防隊にとっての窓には特定の要件があります。窓が一定の大きさでなければ、消火活動のために侵入することができません。実際、倉庫に窓はそれほど必要ではなく、多くの場合、日射は不要とされます。そのため、窓は最小限に抑えたいものです。
窓チェック1
では、窓のチェックをしてみましょう。①直径1メートル以上の円が内接する開口部が二つあるかどうかです。直径1メートルはかなり大きな窓です。たとえば、引き違い窓の高さが1100ミリメートルでも、幅が不十分な場合があります。引き違い窓は半分しか開かないため、不適切となることがあります。
窓チェック2
次に、②幅750ミリメートル、高さ1200ミリメートルの開口部が二つあるかどうかです。これは少しハードルが低いですが、それでも要件を満たさない場合があります。では、ガラスのドアはどうでしょうか?ガラス部分がこの寸法を満たしていれば問題ありませんが、それに該当するかどうかはケースバイケースです。
窓チェック3
これまでのチェックで窓やガラスドアが不適切だった場合、次にシャッターを考慮してみましょう。倉庫には通常、シャッターがありますね。シャッターのサイズについては、通常問題ないと考えられます。直径1メートルの円が内接できる大きさであることが多いです。しかし、ここからが重要なポイントです。
シャッターの種類を確認しましょう
以下の条件を満たしていれば問題ありません:
- 軽量手動シャッターである場合 → 〇
- 軽量電動シャッターである場合 → 非常電源付きであり、屋外から水圧解除が可能なもの → 〇
ただし、経済的な観点から考えると、オプション1の軽量手動シャッターの方が望ましいです。オプション2の軽量電動シャッターの場合、専用の電源回路が必要になりますし、水圧解除のための水道配管も設置する必要があります。
無窓階の判定を受けた場合どうなるか
お客様が通常の電動シャッターを希望した場合、少し困った状況になります。希望されたシャッターが開口部として適用されないと、無窓階の判定を受けてしまう可能性があります。それでは、無窓階と判定された場合、何が変わるのでしょうか?消防設備に関しては厳しい規定があることは承知していますが、この案件では具体的に何が変わるのでしょうか。
実は、規模が150㎡を超えていないため、無窓階となっても影響は大きくありません。必要なものは、①誘導灯と消火器です。少し拍子抜けするかもしれませんが、消火器は元々任意で設置する予定でしたし、誘導灯もC級の設置を計画していました。結果として、無窓階判定となっても、今回の案件にとっては支障はありませんでした。今後、同様の案件がある場合のために、この内容を備忘録として残しておきます。無駄な費用をお客様に負担させたくないのです。
さらに従業員の人数についても
従業員が20名を超えると非常警報設備が必要になることと、150㎡を超えると屋内消火栓設備が必要になってきます。
消防隊員のための侵入口: 現場と法規のバランス
最後に、消火活動において消防隊員が助けを提供するための侵入口に関してまとめます。火災などの災害を想定し、侵入しやすい場所や開口部の大きさについて法律に従いつつも、現場の実情を考慮して適切な配慮をすることが重要です。しかしながら、必要以上の対策はお客様の経済的負担となり得るため、消防法、施工の実際、運営の観点など、さまざまな角度から検討を重ねています。このように、実際の建築現場では多角的な視点から最適な対応を模索することが求められています。
「思いやりが必要」というのは、どの仕事にも当てはまることですが、特に私たちの分野では不可欠です。そのような信念を持って仕事をしています。最後に、消防法の扱いは地域によって異なることがあるため、管轄の消防署に問い合わせることをお勧めします。