大きさに関わらず店舗には非常用照明が必要!設計時のポイントは告示緩和をうまく使うこと。

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こんにちは。㈱WakanaDesign一級建築士事務所です。先日、店舗の設計をした際に『非常用照明』について携わったので、忘れないうちにメモに残しておきたいと思います。非常用照明、緩和などと検索をすると、検査機関側の目線で分かりやすくまとめられている記事はありますが、実際に設計する側の視点やポイントを重視した記事を書きたいと思います。今回は店舗の設計時に必ず必要な『非常用照明』。1台3万円~のものなので最小限に設計したいものです。それではご覧ください。

店舗の設計時に必要な非常用照明

店舗は大きさに関わらず特殊建築物になる。なのでどんなに小さな店舗でも非常用照明の設置は当たり前に検討すること。店舗は不特定多数がお客さんになるため、逃げやすいよう非常時には考えられている。たとえば、夜の飲食店で食事をしている際に火災で停電になった場合。真っ暗になってしまうが非常用照明だけは点灯するよう出来ている。電源は専用回路または電池式もあるが、停電時にも光るようにしなければならない。非常時には足元を照らして逃げる際にも安心なありがたいものである。(写真は半径4mの非常用照明)

非常用照明の配置の仕方

まず、各居室には1台づつ設置してみる。非常用照明を平面図に落としていく。居室から逃げる際に廊下も通ると思うが、その廊下にも必要。継続的に明かりが照らされているところを逃げられなければ意味がないため。感覚的に考えていくと分かりやすい。そこから緩和をつかって減らしていくと気持ちがいい。

非常用照明の種類

天井の高さによって変わってくるのだがCH2400の例で考えてみると、半径4mの範囲が最小限の照明器具の大きさだと思う。たとえば12帖ほどの部屋は1つで網羅できる。それより大きな部屋は非常用照明をサイズアップする方がよさそう。

メーカーの電子カタログを見ると、天井高さによって半径も全て記載されているのでそこから選んでいく。確認申請にはカタログなどを添付する必要がある。現場でこれじゃなくてこっちを使いたいとなった場合でも、同等品を使用してもらえれば問題ない。ただし、完了検査時に軽微変更届が必要になる。

緩和を使わないともったいない。無駄に配置するのはやめる。

告示1411号第一号の例

今回は平屋建てなので、避難階。(階段を使わずに直接地上に出れるという意味。)店舗なので採光計算をクリアしているはずなので開口部のある居室で外までの歩行距離が30m以下の場合は、非常用照明を付けなくて良い。これが使える一つ目の緩和。

上図でいうところの、休憩室。ここは告示の緩和を使用しています。AW-4と5は採光計算OKだったので、あとは歩行距離の検討。休憩室の一番遠いところから地上への出入口まで30m以下の検討をしたところ、6.52mなので余裕でOK。ちなみにこの出入口は玄関やエントランスではないが、テラスに出れる折れ戸サッシタイプ。

告示1411号第二号の例

もうひとつの緩和適用は、商談室。前号の緩和も適用できるが違うパターンでもやってみたかったので、居室が30㎡以下で居室から直接屋外の出入口があればOK。商談室のAW-3はテラス型の引違窓のため直接外に出れる。緩和は使用しないと無駄に配置してお金も余計にかかってしまう。施工まで考えて設計をした方が親切。

一つの空間に勾配天井と標準高さのフラット天井がある場合、ちょっと残念。

一つの空間に勾配天井と一部フラットな天井がある場合、このようにAB それぞれに非常用照明が必要になってしまう。Aがなくても部屋全体の足元は照らせるのではないかと思うのですが、検査機関に指摘を受けました。ダメなようですね。ちなみにBのタイプは照度のおおきなタイプを使用。半径も8.2mある。

店舗で使用した非常用照明の告示緩和はこの二つ

このように、告示1411号第一号及び告示1411号第二号を使って2か所(商談室、休憩室)の非常用照明をなくすことが出来ました。今回は小規模な店舗でしたが、用途によって緩和も変わってくるので都度注意が必要ですね。やっぱり、非常用照明においては直接地上に出れる出入口があると何かと重宝します。それば感覚的なことでも分かりますが、窓のない部屋よりも窓のある部屋。窓のない廊下よりも窓のある廊下の方が避難するうえでは安心です。設計をしているとその時はすごくよく分かっているのですが、次回は全然違う内容の設計だったりするので、覚えてられないこともたくさんあります。ですので、このように備忘録として残しておきたいと思います。同時に、似たようなパターンを設計される方の参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

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