老朽化した木造住宅を壊す費用は一体どのくらいかかるのでしょうか?先日、お客様からこのような質問がありましたので、㈱WakanaDesign一級建築士事務所でおすすめする、木造住宅の標準的な解体についての考え方と価格の基準を共有したいと思います。業者さんに見積もりを取る前に頭に入れておきたい情報です。
解体業者さんから見積もりを取る前に
解体屋さんには、むやみに連絡をしない方が良いです。それはなぜかというと、最初に見積もりを取った金額がベースになってしまうからです。高いのか安いのかも分からず進めてしまうと失敗する可能性がありますので注意が必要です。又、たたき台に見積もりを取得しているつもりでも、業者さんにとっては営業活動の窓口になるため、期待をさせてしまうのと、断るにしても断りずらくなってしましますね。そういう意味で、見積もりは慎重に動きましょう。
壊したい建物の大きさと構造を把握しましょう
それでは、準備として何が必要かと言いますと、以下の二点です。
壊したい建物の構造
構造というのは、木造なのか?鉄骨造、鉄筋コンクリート造、その他、どれに当てはまりますか?住宅であれば木造が多いと思うのですが、そこを間違えると金額が結構変わってきますので要確認です。確認申請が残っていれば構造が記載されていますので、分からない時はそちらもチェックしてください。
ちなみに、解体単価は
木造 < 鉄骨造 < 鉄筋コンクリート造
の順番で高くなります。コンクリートの塊や重量物が多いと運搬も解体も、産業廃棄物の処分費も多くなるということになります。
建物の大きさ
建物の大きさを把握しましょう。建物を建てた際に図面が残っていれば大きさが載っているのですがどうでしょうか?年月が経っていると図面が残っていない可能性が高いと思いますので、そんなときは私たちは外観の東西南北を写真で見れば、窓の大きさや外壁の目地からおおよその大きさが分かります。でも素人の方には難しいかなと思うので、実物をスケールで計測するのが間違えないと思います。ざっくりで大丈夫だと思いますので、それで面積計算をしてください。
積算ポケット手帳の積算実例では
今回参考にしている、金額の根拠ですが積算ポケット手帳という書籍です。こちらの物価本は建築コストを設計事務所や施工業者にモニター収集を行い調整しています。こういった本を参考に大体いくらくらいかかるのか?を把握しておくことが大事だと思います。ちなみに誰でもネットで購入することが出来ますので、解体に限らず、新築工事についても住宅に関しては全て掲載されていますのでぜひ最新版を購入してみてください。
それでは、実際に金額を算出しましょう
坪単価 ≒44,000円(税別)積算ポケット手帳より引用
例)木造二階建て住宅、35坪
35×44,000=1,540,000
計画的に行きましょう
このように、35坪の木造住宅を解体する費用は154万円。この数字を頭に入れておき、信頼できるところに見積もりを取得する。実際には154万円よりも安い見積もりが出てくる方が多いと思いますよ。それから、これも大事なところで、前面道路が4t車通行可能でしょうか?道路が狭かったりする場合、通常よりお金のかかる方向です。建築工事は現場の条件によって左右されることがありますのでお忘れなく。このように基準値を知っていると知らないのとでは大きく違います。解体費は、小さな金額ではないのでので計画的に考えていきたいですよね。