千葉県君津市で完成した住宅付属の倉庫や車庫のプロジェクトを紹介します。建物の種類によって、最適な構造が異なります。木造在来工法、枠組壁工法、鉄骨造、RC造(鉄筋コンクリート)など、さまざまな選択肢がありますが、それぞれに特徴があります。例えば、大空間を木造在来工法で作ろうとすると、構造的に負担が大きくなります。予算は重要ですが、適切な構造を選ばないと安全上の問題が生じることもあります。安全は最優先に考えるべきですよね。
今回紹介するのは、ツーバイフォー工法(枠組壁工法)を採用した倉庫です。この建物の特徴は次のとおりです。
ツーバイフォー工法の建物
ツーバイフォー工法は私にとって非常に馴染み深いもので、どの建物に適しているか、どの建物には不向きかを即座に判断できます。この工法で重要な判断基準の一つは、大空間の実現可能性です。在来工法も大空間を可能と謳うことが多いですが、比較検討を進めると、最終的には梁が必要になるケースが多いのです。しかし、ツーバイフォー工法では、バルーン壁を採用することで梁を不要とすることができます。もちろん他にも検討すべきポイントはありますが。
今回のようなプロジェクトでは、倉庫が平屋建てであり、大空間の必要性はそれほど高くありませんが、途中柱を入れなくて良いツーバイフォー工法が適しています。
トラス工法による大空間
トラス工法では、ツーバイ材を縦方向に使用し、上弦と下弦の各材料を専用のプレートや合板で緊結します。このトラスを一定の間隔で配置していきます。見た目にも統一感があり、非常にスタイリッシュでおしゃれに見えるでしょう。トラス屋根の荷重は外壁まで伝えられるため、梁や柱が途中不要になります。
壁と天井の仕上げなし
内壁と天井の仕上げをせずに表しにすることは、倉庫や車庫には適していると考えられます。断熱材などが必ずしも必要でない場合、このように割り切ったアプローチも一つの選択肢です。ただし、車庫として使用する場合には、内装に関する制限が適用されることがあるので注意が必要です。倉庫の場合、石膏ボードの取り付けや壁紙の貼り付けが必須ではありません。トラスは、このように見える方がデザイン性に好きだという人も多いでしょう。また、今後何かを取り付ける際に下地が見えていると便利です。