
最近、日々の業務の中で改めて感じたことがあります。
「審査」や「チェック」こそ、AIが担うべき仕事ではないか、ということです。
同じ書類なのに、人が変わると指摘が変わる
設計の仕事をしていると、確認申請をはじめ、さまざまな書類の審査や検査を受けます。その中で何度も経験するのが、同じ内容であっても、審査する人によって指摘される内容がまるで違うということです。
前回は問題なく通ったものが、今回は指摘される。担当者が変わっただけで、求められる書き方が変わる。
原因ははっきりしています
これは仕方のないことだとは思いません。原因ははっきりしています。
ひとつは、チェックする項目がマニュアル化されていないこと。何をどこまで見るのかが決まっていないから、担当者の裁量に委ねられ、人によって結果が変わります。基準が共有されていないのだから、ばらつくのは当然です。
もうひとつは、指摘すること自体が仕事になってしまっていること。何も指摘しないと仕事をしていないように見える。だから本来なら不要な指摘まで出てくる。審査される側からすると、これがいちばん消耗します。
直すこと自体は大きな手間ではありません。しかし「次はどちらに合わせればいいのか」が分からないまま毎回出し直す状況は、純粋に非効率です。
チェックする側にも時間がかかっている
そして、これは審査する側にとっても良い状態ではないはずです。
毎回、同じような項目をひとつひとつ目視で確認していく。件数は減らず、見落とせば責任が問われる。この作業に膨大な時間が使われています。
基準が定まっていないまま人の目に頼る仕組みは、双方にとって負担が大きいだけです。
AIがチェックし、人間が判断する
そこで私は、これからの審査やチェックは、まずAIが行う形に変わっていくべきだと考えています。
法令、審査基準、社内基準、過去の指摘事項。これらをAIに整理させ、常に同じ基準で、漏れなくチェックする。人によってぶれることがなく、何件続いても精度が落ちません。
そして、AIが出した結果について、最後に人間が確認し、判断する。
「AIがチェックし、人間が判断する。」
この役割分担が、最も効率的で、なおかつ人にもストレスを生みにくい仕組みなのではないかと思っています。
確認申請だけではありません
この話は確認申請に限りません。
見積書、図面、契約書、各種申請書類、工事写真、完成検査。私たちの仕事の中には「チェックする」という業務が数多く存在します。
こうした業務をひとつずつAI化していけば、人はもっと本来やるべき仕事に時間を使えるようになるはずです。チェックを減らすことが目的ではなく、空いた時間を設計そのものやお客さまとの打ち合わせに戻すことが目的です。
最後の確認と責任は、人間が持ちます
ただし、すべてをAIに渡すべきだとは考えていません。
確認済証を交付するのも、図面に記名するのも人間です。何かあったときに責任を負うのはAIではありません。だからこそ、最終的な確認と判断は人間が持つ。ここは動かしません。
AIに任せるのは作業であり、判断と責任は人間の仕事です。
当たり前を疑うのが、私たちのやり方です
私たちは設計事務所ですが、単に設計をするだけの会社ではなく、「今までそうだったから」という理由だけで続いている仕事のやり方に疑問を持ち、少しずつ改善していきたいと考えています。
今回この話をスタッフとしていたところ、意見はほぼ一致しました。
チェックや審査はAIが行い、最後の確認と責任は人間が持つ。これから私たちの会社でも、さまざまなチェック業務をAIで仕組み化していきます。
審査を受ける側、審査をする側、それぞれの立場で感じていることがあるのではないでしょうか。ぜひ、皆さんのご意見も聞いてみたいです。
この記事について
この記事は参考情報として公開しています。内容の正確さには注意を払っていますが、制度や法令は改正されることがあり、個々のご事情によって扱いも異なります。実際のご判断は、必ずご自身で公式情報や所管の窓口をご確認ください。本記事をもとにした行動によって生じた損害について、当社は責任を負いかねます。
また、記事の内容に関する個別のご質問・ご相談は承っておりません。
