館山プロジェクト: 地域の魅力と新たな挑戦

この記事では、茨城の境町から千葉の館山市への設計プロジェクトの経緯を紹介します。リモートと現地訪問のバランス、設計の具体的なステップ、そして新しい出会いや学びについても触れています。地域を越えたこのプロジェクトのリアルな側面をお伝えします。

1.館山市には、なにか縁を感じる

昔の知り合いの方からのお電話をきっかけに、千葉県館山市での貸別荘のエクステリアに関する相談に興味を持ちました。実は、館山市には私にとって特別な思い出があります。中学生時代、私の担任であり、大変尊敬していた先生の出身地が館山市でした。私たちが卒業する際、その先生を追いかけて、何人かで館山市を訪れました。その時の移動は、電車で4時間以上かかったことを鮮明に覚えています。距離は遠かったものの、美しい海と静かな風景に心を打たれました。

このような背景を持つ館山市でのプロジェクトということで、非常に楽しみにしており、早速現地を訪れることとなりました。

2.過去と現在、繋がる仕事の物語

20年ほど前、私はフリーランスとしてツーバイフォー工法の仕事を主に手がけていました。当時、私に仕事を依頼してくださっていた会社の方です。現在、その方は館山市で独立し、建築業や貸別荘の管理業務をおこなっています。過去には、ツーバイフォー工法に関する相談を受けることもありましたが、最近、その方から久々に連絡をいただきました。その方は自身の現在の活動を示す画像を送ってきてくれました。私は、その返信に、以前公園を提案した際の絵などの資料を送ったのです。これを見て、今回の貸別荘のエクステリアに関する仕事の相談をしてくれました。長い間の関係が今も続いていることに、心から感謝しています。

3.高速バスを乗り継いで館山市への訪問

▲館山市伊戸の海から見える富士山

私の事務所は茨城県境町に位置しています。今回の相談地、千葉県館山市までの距離は約160キロ。当初、車での移動も考えましたが、移動中にリラックスしたいと思ったため、高速バスを選択しました。

実は、境町から東京駅へは高速バスがあり、さらに東京駅から館山市へも高速バスが出ています。この乗り継ぎを面白く感じ、試してみることにしました。初めて利用する乗り継ぎだったので、少し心配もありました。実際、最初の高速バスは到着が遅れ、次のバスに間に合うか心配になりましたが、幸いにも5分前に予定のバスに乗ることができました。最初のバスを降りてから乗り場まで小走り、そして駅の店で飲み物とおにぎりを購入してます。良く間に合ったなと思います。移動中、少し寝不足も感じていたので、軽く仮眠を取りました。目を覚ました時の景色は、以前旅行で訪れた場所を思い起こさせました。

そんな旅の途中、やがて館山市、目的地に到着しました。

4.貸別荘経営の女性社長との出会い

今回のご相談者は、一棟貸の別荘を経営されている女性社長です。プロジェクトをスムーズに進めるためには、最初の対面が非常に重要であると私は考えています。お互いの人となりを理解することで、その後の作業がより円滑に行われるからです。

私は女性社長が現在経営している別荘を何件か案内していただきました。その際、社長のビジョンや方針、そして好みについて注意深く耳を傾けました。さらに、貸別荘経営においては、掃除のような日常的な管理業務が非常に重要であることを痛感しました。実際の清掃作業を目の当たりにし、掃除の仕方が整備されていることに驚きました。更に、人をきちんと管理しチェック機能の実践などもインプットされました。こういったことが後の設計に活かされます。

5.複数の物件を視察して感じたこと

  • 非日常を巧みに演出している
  • 家具や装飾品への繊細なこだわり
  • キッチンの充実や浴室アメニティの提供など、女性の視点からの気配りが感じられる
  • どこを見ても掃除が行き届いており、高い清潔感
  • 日常の生活感を見せないための工夫
  • 館山市の美しい景色を最大限に生かした屋外空間の利用法

これらの詳細に関しては業務秘密として取り扱うため、具体的な写真は公開できませんが、実際に現地を視察することで得た知見や感じたことは、私にとって大変価値のある経験となりました。

6.設計開始

前述の情報を基に、設計作業を開始しました。最初のステップとして、水回りの増築部分の間取り作成に取り組みました。今回、3つの提案を行いました。その理由は、3つの異なるプランを比較することで、お客様により多角的な視点で選択していただけると考えたからです。1つだけの提案では、お客様にとって意見を伝えづらいのではないかと感じたためです。

このアプローチは成功しました。私が最もお気に入りだったプランCが、お客様にも気に入っていただけました。しかし、配置に関しての詳細な検討を進めるうち、いくつかの変更が必要となりました。今回のプロジェクトでは、既存の建物のリフォームと、新たな部分の増築を行う予定です。後日、この変更の詳細についてもお伝えする予定です。次に、外部空間に関する提案を進めていきます。

ちなみに、このプレゼン図面は最終的にCanvaを使用して完成させました。ワカナデザインはSNS活動も行っているので、目立たせたりデザイン性を上げるためにはCanvaが最も適していると感じています。

8.遠隔での打ち合わせの便利さ

最初の提案は、便利なリモート会議を利用して進めました。この際、運営者様、管理者様、そして私、計3者が集まり、さまざまな意見を交換しました。図面は一つのコミュニケーションツールとして有効ですが、それだけではなく、口頭での説明を加えることでニュアンスをしっかりと伝えることができるんです。その結果、会議が終わる頃には、何を修正するべきかがはっきりと見えるようになりました。結局、リモート会議も上手く活用すればとても効果的だと実感しました。実は、リモート会議はコロナの影響で一気に普及しました。その便利さから、コロナが収束した後も継続的に使用していくつもりです。

9.続報をお待ちください

水回りの増築の修正も完了し、現在は屋外空間の提案の作成に取り組んでいます。駐車場の配置や、玄関へのアプローチ、そして既存の庭の活用方法など、様々な要素を検討しています。バーベキューエリア、プール、散策路、そしてもし可能であれば、遊具の設置も考慮しています。これらのアイディアにワクワクしながら設計を進めています。この設計プロセスについて、今後も随時更新していきますので、ぜひご期待ください。

10.地域を越えた挑戦と新しい出会いへの期待

実は、私が茨城県境町にいても、千葉県館山市のプロジェクトにしっかりと参加しています。すべてリモートだけで進めているわけではなく、10月には再度現地を訪れる予定です。直接お会いして話すことや、新しい場所の雰囲気を味わうことは、何と言っても大事。新しい刺激を受け取り、それを次の仕事やアイディアに生かせるのを楽しみにしています。そして、日本の各地には、素晴らしい土地を活かし、面白い事業を展開している方々がたくさんいますよね。そんな方たちと出会えること、それもまたとても楽しみです。

 

WakanaDesign一級建築士事務所(ワカナデザイン)

こんにちは、一級建築士の鈴木祐子です。株式会社WakanaDesign一級建築士事務所の代表を務めております。茨城県境町に拠点を置き、建築設計のプロフェッショナルとして21年目に突入いたしました。真剣さと遊び心の絶妙なバランスを大切にし、魅力的な空間をデザインしています。

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https://wakanadesign.com/

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株式会社WakanaDesign一級建築士事務所(ワカナデザイン)
🏡茨城県猿島郡境町下小橋555-13

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Q.どんな設計事務所?
A.茨城県境町に拠点を置き、建築設計のプロフェッショナルとして21年目に突入いたしました。真剣さと遊び心の絶妙なバランスを大切にし、魅力的な空間をデザインしています。

Q.なにが専門の設計事務所?
A.私たちは小規模でありながらも、リノベーションに特化した設計事務所です。お客様のニーズに合わせた柔軟な対応が可能であり、小回りの利くサービスを提供しています。リノベーションプロジェクトにおいては、建物の魅力を最大限に引き出し、新たな価値を創造することに注力しています。

Q.設計の特徴は?
A.色使いや植栽にこだわり、ワクワク感を大切にした建築デザインを提供しています。建物が利益を生むことを追求しながらも、心地よい空間を創造することにも力を注いでいます。

Q.実績は?
A.これまでの実績には、パン屋さんやシェアオフィス、カフェ、アンテナショップ、食堂、保育園、学童保育、公園、ドッグランなどがあります。茨城県境町や埼玉県春日部市などで実際に見学可能な案件もございますので、ぜひ足を運んでみてください。

Q.仕事のスタイルは?
A.個々のプロジェクトに真摯に向き合い、企画設計から監理まで丁寧に取り組んでいます。建築が持つ力を最大限に引き出し、お客様のニーズに応えることを大切にしています。

 

 

 

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